fc2ブログ

ストラスブールを歩く・9―宗教改革に寄与したパイプオルガン

祭壇部分を前にして左手に、荘厳な多色のパイプオルガンが置かれている。
最初のオルガンは、13世紀に作られたもの。その後、時を経て、ジルバーマンが改修し、素晴らしい音色を奏でていた。
現在残るオルガンは20世紀に置き換えられたものである。

大聖堂のオルガン

真ん中一番下の獅子にまたがっているのは、キリストではなく、旧約聖書に登場するサムソン。
サムソンは、古代イスラエルの士師の1人で、怪力の持ち主として有名。
旧約聖書に書かれているように、獅子の口を裂いている姿が、見てとれる。

大聖堂のオルガン

両隣には、伝令官とブレッツェルの商人の人形がある。この人形、実は、可動式らしい。
かつては、オルガン下部に人が隠れて操り、あたかも人形がそうしているかのように話したり歌ったりして、人々を笑わせた。
特に、教会内部の悪事を晒していたらしいが、こうした行為は、宗教改革の精神へとつながった。

ストラスブール大聖堂は、1517年に始まった宗教改革の影響をいち早く受けた。
そしてストラスブールのカトリック教会のほとんどで、プロテスタントの礼拝が行われるようになり、150年以上もプロテスタントの町として知られるようになるのである。

フランスの他の地方と同様に、カトリックが大多数を占めるようになるのは、30年戦争後、ルイ14世がカトリック推進政策を取り始めてからのこととなる。

「ストラスブールを歩く」は、まだまだ続きます。
ストラスブール大聖堂に関する記事は、こちらから
ストラスブールを歩く・5―大聖堂とともに天を仰ぐ
ストラスブールを歩く・6―大聖堂の正面入り口を味わう
ストラスブールを歩く・7―大聖堂の中へ
ストラスブールを歩く・8―ステンドグラスの意味

にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

ぶるぐれんとうざき

あるざすかいのブログへようこそ !
フランスの東端アルザス地方の伝統と文化を伝えるため、毎日の生活や読みものから得た情報を独自の視点でお伝えしていきます。

ブログ内検索

QRコード

QR