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アルザスの聖オディール修道院

アルザスには、目に問題を持った人々が多く訪れる修道院がある。
標高約753mの岩山の頂上にある聖オディール修道院だ。
聖オディール修道院

7世紀半ば、アルザスの公爵アダリック(別名エティション)は、長男の誕生を待ちわびていた。ところが、生まれたのは女の子。しかも生まれつき盲目ときたものだ。すぐに殺してしまおうとする父。母の助けで、ブルゴーニュの修道院に隠れながら過ごしたオディールは、洗礼の日、視力を取り戻す。弟の助けでオディールはアルザスに戻ろうとするが、父は弟を殺してしまう。その後、父は、後悔の念から、アルザスにオディールが戻ることを許すが、オディールに身分の高い男との結婚を迫る。オディールは、神への愛から、この結婚を拒否する。黒い森に逃げ込んだオディールは、行く先々で、巨石を切り開いて隠れ、追跡から逃れる。オディールの定めを理解した父は、ホーヘンブール城(修道院)を建設し、オディールを初代女子大修道院長にする。後に、オディールは、アルザスの守護聖人となる。

720年に逝去した聖オディールの棺。18世紀に描かれた油絵は、聖オディールの一生を表す。
聖オディールの棺

涙の礼拝堂と十字架礼拝堂。12世紀に建てられた美しいロマネスクの礼拝堂。
聖オディール修道院の二つの礼拝堂

マタイ、ルカ、マルコ、ヨハネを象徴する人(天使)、雄牛、獅子、鷲の絵を探してみよう。キリスト教の解釈においては、「人」はキリストの誕生、「牛」は十字架における犠牲、「獅子」は復活、「鷲」は昇天を表す。
キリスト教の象徴

涙の礼拝堂。聖オディールが父の死を嘆いた涙で窪んだといわれる穴が下にある。内装はアルザスの聖人を描く。
涙の礼拝堂

山を少し降りた所には、聖オディールが目の病気を患った人を治癒するために沸かせた噴水がある。
聖オディール

異教徒の壁。2m以上の高さ、厚さからなる巨石が、聖オディール山の約100haの土地を囲む形で、築かれている。全長10km以上の壁は、その起源も建設方法も謎のままである。
異教徒の壁
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