昔、アルザスには、フランス最大のユダヤ人共同体があった。

ユダヤ人とは、紀元前13世紀の
モーセの十戒をルーツとするユダヤ教を信仰する者か、ユダヤ人から生まれ他の宗教の信者ではない者である。ユダヤ人の多くが、イスラエルの地を追われて、世界中に離散した。
ユダヤ人は、かつてはキリスト教徒ができない金融業を担っていた。
勤勉で働き者のユダヤ人は、世界中、実に様々な分野で活躍するようになった。
ユダヤ人の有名人やユダヤ系の企業は、枚挙にいとまがない。
一方で、ユダヤ人は、憎悪や嫉妬の対象でもあった。ローマ教皇によるユダヤ人排斥、ペスト流行時のユダヤ人迫害、ナチスによるホロコーストなどは、よく知られているものだ。
ユダヤ人に対する差別や偏見は、長い間ヨーロッパに根付いており、アルザスにおいても例外ではなかった。
フランス第三共和政を揺るがした
ドレフュス事件には、アルザス人が関係している。

1894年、アルザスのミュールーズ出身のユダヤ系陸軍大尉ドレフュスがドイツのスパイとして、終身刑に処せられた。その後、別の真犯人が判明したが、軍部は事実を隠蔽。軍部・教会を中心とする反ユダヤ・反共和派と、人権と共和政を擁護するドレフュス派が対立した。ドレフュスは、1906年、無罪となっている。
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