ディズニー設立100周年の年に思うこと。

100年前の今日、1923年10月16日。現在のウォルト・ディズニー・カンパニーの前身となるディズニー・ブラザーズ・カートゥーン・スタジオが誕生した。
世間ではウォルト・ディズニーの名前ばかりが知られているが、この会社は、設立当初の名前にあるとおり、兄弟で作った会社。ウォルトは創作の面で、ロイは経営の面で会社の拡大や事業の成功に貢献した。
ディズニー

現在のミッキーが誕生するまで、ディズニーの会社からは数々のアニメーターが他の会社に引き抜かれていった。
ウォルトの長年の友人で、1928年に1番最初のミッキーマウスを作ったアブ・アイワークスもその一人。
(ウォルト・ディズニーはプロデューサーで、アニメーターはアブ・アイワークスだった。)
まあ、後から、ディズニーの会社に戻ったようなので、一件落着。
ミッキー

数あるミッキー作品の中で、私が一番好きなのは、1940年11月13日に公開された『ファンタジア』の中の「魔法使いの弟子」。
『ファンタジア』は、ディズニーとその関係者が、こだわりにこだわりぬいて、3年の年月をかけて作った大作。
セリフがない短編集なので、2時間は若干長く感じるが、ディズニーの世界観が詰まっており、最後にシューベルトの「アヴェ・マリア」なので、そりゃ感動する。

特に、ミッキーが登場する「魔法使いの弟子」は、ストーリー性、音楽、映像、どれも絶妙。
ゲーテによる1797年の詩の仏語訳を基にしているというのが、なかなか感慨深い。

1960年代に入ると高齢になったロイは引退を考え始めるが、1966年にウォルトが死去すると、引退を延期する。ウォルトによって進められていたディズニー・ワールド計画を引き継ぐためだった。そのテーマパークは、アメリカで、1971年10月1日に開業する。
兄弟で叶えた夢。
マリオとルイージ
現実にいた、マリオとルイージみたいな兄弟。

今年は東京ディズニーランド設立40年の年。
私は、5歳のときに初めて家族と行ったディズニーランドで、『小さな世界』を見た。
そのとき見た世界と、聴いた歌に、最初から最後まで、感動して泣きっぱなしだったのを今でも覚えている。
北海道の片田舎から、初めて出て見た世界は、あまりにも美しくて、かわいかった。
ディズニー

英語版の「It’s a small world」と日本語版の「小さな世界」は、歌詞が違う。
日本中の子供たちに夢を与えるこの歌の歌詞を書いたのは、翻訳家で童話作家の若谷和子。今年ちょうど80歳を迎える。
5歳のときの私は、こんな世界を夢見ていた。

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世界中どこだって、笑いあり涙あり。
みんなそれぞれ助け合う小さな世界。
世界はせまい。世界は同じ。
世界はまるい。ただひとつ。

世界中、誰だって、微笑めば、仲良しさ。
みんな輪になり、手をつなごう。小さな世界。
世界はせまい。世界は同じ。
世界はまるい。ただひとつ。

限りない空と海。星影の美しさ。
それは一人 語りかける小さな世界。
世界はせまい。世界は同じ。
世界はまるい。ただひとつ。

隔たりを取り除き、友情の橋をかけ、
手と手をつなぎ、作ろう小さな世界。
世界はせまい。世界は同じ。
世界はまるい。ただひとつ。

世界中だれでもが自由を 求める、
その叫びがこだまする小さな世界。
世界はせまい。世界は同じ。
世界はまるい。ただひとつ。
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現実の世界は、ディズニーの世界とは程遠かった。

近年では、アニメの実写版や番外編も多く出ていて、中には『クルエラ』みたいな傑作も作られ、嬉しい驚きはある。
クルエラ
でも、『ダンボ』のダンボや『おしゃれキャット』の猫が差別表現だとか言うのは、ちょっとばかげていると思う。

今年末、アメリカでは、1928年のオリジナルのミッキーマウスの著作権が切れる。
くまのプーさん』のホラー映画みたいに、めちゃくちゃな使われ方もするだろう。
優しくて愉快な『くまのプーさん』や『ミッキーマウス』が好きな人は、見なければいいだけの話。
選ぶのは、消費者である個人
ハロウィンのディズニーランド
ハロウィンに仮装するかしないかも個人の自由。


私は、初期のディズニー作品を見ながら育ったディズニーファンとして、あの頃、私が見たような夢を、自分の子供や孫にも見続けてほしいと切実に思う。
花と木
花と木』。100回以上見たなあ。

様々な苦難に遭遇しても、決してあきらめなかったディズニー兄弟。
ウォルト・ディズニーは、後に、次のような言葉を残している。
夢を求め続ける勇気さえあれば、全ての夢は必ず実現できる。
いつだって忘れないでほしい。
全て一匹のねずみから始まったということを。
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ぶるぐれんとうざき

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