印象派とストラスブール近現代美術館と…

今年は、印象派誕生から150周年の年。
1874年4月15日、モネ、ピサロ、ルノワールなど若い画家たちは、当時のアカデミズムに反抗し、自由に作品発表を行うためのグループを結成し、展覧会を開催した。
批評家は、同展に出品されたモネの『印象、日の出』を、「印象を描いただけだ」と嘲笑した。
これが、有名な、「印象派」誕生の背景。
オルセー美術館150周年

日本人が大好きな「印象派」だが、実は、私はあまり好きではない。
全体がボヤっとしていて、何度見ても、眠たくなる。
この間、家族を連れて、パリのオルセー美術館に行ったときなどは、1時間半という短い時間だったのに、10回以上、立ちながら寝てしまいそうになった。
落穂ひろい
かの有名な…ジャン=フランソワ・ミレー落穂拾い
大分、写真がブレてるが、絵画自体がブレてるので、見事に気にならない。

好き嫌いを言うのは、個人の自由だし、このブログは素人の独断と偏見で勝手に書いているだけなので、「印象派が嫌いな人間の意見など読みたくない」という人は、この先は読み進めないでほしい。
前置きしておくが、私は、批評家ではないし、画家の真意を的確に言い当てられるほど、頭が良くもない。


ここアルザスのストラスブールの美術館でも、少しだけだが印象派の絵画が楽しめる。
とはいっても、印象派の絵はかなり少ないので、今日は、ストラスブール近現代美術館(Musée d'Art Moderne et Contemporain de Strasbourg, 略してMAMCS)に展示されている他の作品も紹介したい。
ストラスブール現代美術館
入口から、ぶっとんでるストラスブール現代美術館。

印象派の画家たちは、明るい戸外で、光を受けた空や水辺、花々や樹々を明るい色彩で描いた。
それまでの時代の絵画には、必ず「闇」が存在したのに、印象派の絵は、「光」ばかりを追い求めている感じ。
ストラスブール現代美術館のクロードモネ
クロード・モネひなげしの咲く麦畑(Champ d'avoine aux coquelicots)』1890年頃
「おぼろげ」という言葉が、しっくりくる作品。
様々な印象派画家が刻一刻と変化する自然の情景を描写したが、私はそれを見ながら、「自然って、こんなにメリハリが無かったっけ?」といつも疑問に思う。

ストラスブール現代美術館のポールシニャック
ポール・シニャックアンティーブ、夕暮れ(Antibes, le soir)』1914年
その場で描いたのではなく、エスキスを基に、アトリエで描いた。色使いが空想的で甘い。

私の個人的な意見だが、
風景画って、断然、人が入っていた方が面白いように思う。
後から自分で撮った写真を見る時に、人が入っていた方が面白いのと同じで。
ストラスブール現代美術館のモーリスエリオ
シャルル・ルイ・モーリス・エリオ老人たち(Les Vieilles Gens)』1892年
おじいさんが熱心に孫に説明していて、孫が感動している姿が微笑ましい。
芸術は、世代を超えて、こうやって楽しむこともできる。

フランスでは、幼稚園児や小学生でも、課外授業で美術館に行く。
本物の作品に、小さいうちから触れられるからこそ、感性や創造力が育つのだろう。


ここからは、印象派を離れて…
ストラスブール現代美術館といったら、何と言っても、ギュスターヴ・ドレの作品。
聖書を学ぶのに、この人の作品は欠かせない。
「宗教画が苦手」という人にも、ドレの作品は入りやすいと思う。人間らしいイエス・キリストが見られる。
(イエス・キリストは、100%人間で、100%神だから、人間的な面に光をあてるか、神的な面に光をあてるかで、描き方がガラッと変わる)
ギュスターヴドレ
イエスの苦しそうな顔

ギュスターヴドレ
『法廷から退場するキリスト』
この絵を上から見ると、イエス・キリストが実際に歩いているのを上から眺めているような気持ちになる。

ストラスブール現代美術館では、1870年~今日までの、印象派キュビズム抽象絵画シュルレアリスムまで、多彩な作品が堪能できる。
ストラスブール現代美術館のピカソ
パブロ・ピカソギターを持つ女(Femme à la guitare)』1924年
キュビズムと言ったら、ピカソ。
ピカソは、何と言っても、物事の特徴を捉えるのがピカ一だった。ピカ一だけに、ピカソ。

アルマン
アルマン・フェルナンデスキュビズムへのオマージュ(Hommage au Cubisme)』1974年
やりすぎ。キュビズムへの情熱が、あふれ出ている。

オット兄弟のステンドグラス
オット兄弟春のアレゴリー(Allégorie du Printemps)』1900年頃
花や木々は、やっぱりステンドグラスにすると、格別!
フランスでは、近くの教会でも、この美しい芸術が楽しめる。
自然と芸術を違った感覚で楽しめる場所
代々、これを作って守ってきた人たちに、感謝してもしきれない。

ストラスブール近代美術館では、
絵画に限らず、彫刻、グラフィック作品、写真、家具、ビデオ…と展示方法を工夫している。
ストラスブール現代美術館
フランソワ=ルペルト・キャラバンブルターニュのダンス(Danse Bretonne)』1901~1902年
キャラバンは、アルザス人だったが、普仏戦争のときにパリに渡った人(←こういうアルザス人はとても多い)。
地元アルザスを感じさせる作品もいいが、こういう風に、地方の境界を超えて、表現するのもありだと思う。


2階に行くと、いかにも「モダンアート」といった作品が、あちらこちらに展示されている。
ストラスブール現代美術館
ああ…猫がクモ…

アーティストには悪いが、私は、この階に行くと、後半いつも吐き気をもよおす。
頭がクラクラして、立っているのもやっとなので、写真はあまり残っていない。
ストラスブール現代美術館
説明を読んでも、意味不明。

芸術家が苦労して、ここにたどり着いた足跡を知ればいいのかとも思うが、そこまでする気力は起きない。
一部の現代アーティストの絵画は、非常に高額で売買されているが、税金控除のために高額所得者が買っているだけ。(もちろん、芸術マニアの高額所得者もいるのだろうが、少数だと思う…。本物の芸術愛好家のみなさん、ごめんなさい)
時代に合っていたマーケティングが成功しただけ。

具体的に描けない自分の無能さと、消費者の無知にかまけて、ドラッグやセックスに溺れ、しまいに事故か自殺で終わるなんていうアーティストが何人いたことだろう。

アーティストに限らず、大した努力や苦労もしていないのに、簡単にお金を手に入れられるようになった人の人生なんて、たかが知れてる。
そういう人にかぎって、違法ギャンブルとかにも手を出すから、さらに最悪。
みんなからチヤホヤされて、何でもやりたい放題で、自分を影響力のある人間だと勘違いしている人って、本当ウザイ。
具体的に誰とは、言わないが。

スポーツ選手だって、詐欺プレー(主にサッカー)で、何億も稼ぐ選手がいるの、おかしくない?
転んだフリとかの練習が大変で、俳優業も兼ねているから?
年収、ネイマールの方が、スティーブンスピルバーグ監督より稼いでるって、かなりおかしくない?
(ネイマール好きの人、ごめんね)
キリアンエムバペ
キリアン・エムバペは最高!

ちょっと脱線してしまったが、
芸術というのは、それぞれの時代を反映している
まさに、現代の芸術作品は、混沌とした(何でもありの)今の時代を反映しているように思う。

ストラスブール現代美術館
1月に行ったエイズの企画展。
多様性だの、インクルーシブだの、うるさい世の中だが、最初からコンドームをつけることさえできない男同士の愛を、私は認める気にはなれない…。
乱れた性生活を送っていたわけでないのに、エイズ被害者になった人々がかわいそう。

以上のように、私は、現代芸術というものが、全くもって嫌いだったわけだが、
最近、自分の好きな工房が、タシスム(アクション・ペインティング)というのをやっていて、今までの嫌悪感が吹っ飛んでしまった。
タシズム

よくわからないけど、好き。
芸術の楽しみ方は、そんなものでいいのだと思う。

現代アーティストのみなさん、さんざん馬鹿にして、ごめんなさい。
本当は、ありのままに想いを表現できるみなさんを、尊敬しています。
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