ストラスブール大聖堂は、細微に渡る彫刻、透かし彫りからなる。
少しずつ近づいてみよう。
風が強くなる。
昔の人々は、この巨大な大聖堂の地下には悪魔が閉じ込められていて、
その
悪魔の息がこの風の原因だと考えていたらしい。
教会の権威を大聖堂に感じ、そこが
天界への入口と信じていた。
中央の扉口は普段は閉じられており、向かって左側が入口、右側が出口となっている。

中央タンパンの彫刻は4層になっており、キリストの受難~昇天を表している。

左下から右上へ向かってストーリーが進む。
壁画やステンドグラスの読み方は、
マンガの読み方と正反対。
最下層は、キリストのエルサレム入城から始まり、
最後の晩餐が描かれている。
下から2番目の層は、左から、茨の冠をかぶせられたキリストが、十字架を背負って歩き、
十字架にかけられる。
下から3番目の層は、左から、ユダの首吊り、悪魔が描かれており、なんだかただならぬ雰囲気。復活したイエスの傷に触れようとする聖トマスも描かれている。
下から4番目の層は、
キリストの昇天。
聖書を学び始めたものにとっては、格好の教材であろう。
次はタンパンを囲む扇形のアーチに目を移してみよう。
飾りアーチと呼ばれる、この幾重ものアーチが重なる部分には、左(外側)から順に、
天地創造が描かれている。
なんとなく聞いたことがあるであろう以下の場面がどこに当てはまるか、実際の彫刻と照らし合わせてみてほしい。
なんだか急に、キリスト教が身近に感じられるはずである。

1日目、神は光と闇を分け、光を昼と呼び、闇を夜と呼んだ。
2日目、神は大空(天)を創った。
3日目、神は海と大地を創り、地に草と樹を生えさせた。
4日目、神は太陽と月と星々を創った。
5日目、神は水中の生き物と鳥を創った。
6日目、神は地上の獣と人間を創った。
7日目、神は休んだ。
正面入り口上方には、王座に
ソロモン王が座り、
『列王記』に記されるように12頭の獅子(ライオン)を従えている。
その上には、聖母マリアが優しく、イエスを抱きかかえている。

「ストラスブールを歩く」は、まだまだ続きます。
ストラスブール大聖堂に関する記事は、こちらから
ストラスブールを歩く・5―大聖堂とともに天を仰ぐ
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