
足を踏み入れると、柱が林立しているかのように、全体が一定のリズムで秩序づけられているのに気づく。
天へと向かう上昇感、上部の交差ヴォールト、尖ったアーチ、大きなステンドグラス、細かいモチーフ…。それら全てを含めた全体の美しさが、ゴシック様式の大聖堂の醍醐味だ。
昔の人々は、なぜこれほどまでに美しく大きな建物がこの世に存在するものかと、教会の権威におののいたに違いない。

聖堂内に入ってくる光は、自然界の動きに呼応して、時に強まり、時に弱まる。
森の中にいるような感覚に陥る。
目に入るものだけじゃなく、五感で空間を味わう。
ひんやりした空気、澄んだ香り、響く音…。今までと違った楽しみ方ができるはずだ。
参考:都築響一、木俣元一著『フランス ゴシックを仰ぐ旅』
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