13日の金曜日。なんだか不吉な感じのする日だが、普段通り大聖堂を紹介したい。
(本当は、
数字の13は聖なる数)
大聖堂の北翼廊部分は、1015年建設当初のロマネスク様式を残し、半円形を基にしている。
太い柱と厚い壁。
大聖堂の他の部分とは明らかに異なる造りをしている。

ほの暗い大聖堂の中に差し込む清らかな光。気づいた人はみんな上を見上げたことだろう。
時間に追われて大聖堂を通り過ぎるなんてもったいない!少し立ち止まってほしい。
ステンドグラスには、ヨハネ、ソロモンの判決、祈るマリアが描かれていて、12~13世紀のもので、大聖堂の中でも最も古い。
残念ながら、入れないことも多いのだが、北翼廊の彫刻もぜひ紹介したい。

北側翼廊の一部に、「オリーブ山の祈り(
ゲツセマネの祈り)」を表す15世紀の彫刻が置かれている。
この作品はストラスブール大聖堂から西に少し行った聖トマス教会の墓地から運んだものである。
等身大でなんともわかりやすい作品だ。
この群像は、ユダの裏切りによりローマ軍に捉えられることを予知したイエス・キリストが、最後の晩餐後、弟子のペトロ、大ヤコブ、ヨハネの三人を連れオリーブ山のゲッセマネに赴き、父なる神(彫刻では天使の姿で表現されている)へ祈りを捧げている場面。
弟子たちが裏切ることを知っていたイエスは、もっとも惨めで、みすぼらしい形でくる死への不安と闘った。
寝入ってしまった弟子たちと、背後にイエスを捉えに来たユダとローマ兵の姿がある。

大聖堂内部には、こんな風に、外から持ち込んだ作品もいくつか展示されており、博物館のようにも楽しめる。
日本なら
国宝級の美術品が、数百年の時を経て、いつでも見られるようにそこにある。
どれほど多くの人々が感銘を受けたことであろう。
その
美しさを味わう権利は、みんなにあるのだ。
「ストラスブールを歩く」は、まだまだ続きます。
ストラスブール大聖堂に関する記事は、こちらから
ストラスブールを歩く・5―大聖堂とともに天を仰ぐストラスブールを歩く・6―大聖堂の正面入り口を味わうストラスブールを歩く・7―大聖堂の中へストラスブールを歩く・8―ステンドグラスの意味ストラスブールを歩く・9―宗教改革に寄与したパイプオルガンストラスブールを歩く・10―大聖堂のマスコット犬
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