聖者の行進

今日11月1日は、「諸聖人の日」と呼ばれる祝日。カトリック教会で、有名無名を問わず、全ての聖人と殉教者を称える日。
明日11月2日は、「死者の日」と呼ばれ、亡くなった人を忍ぶ日。ところが、明日は祝日ではないので、今日お墓に行って、菊の花を供えることが多い。

アルザスにも有名な聖人が数人いるが、「聖人」というと、私は、野島伸司脚本のドラマ『聖者の行進』を思い出す。中島みゆきの『糸』『命の別名』が曲に使われていた。
聖者の行進

野島伸司といえば、暴力、いじめ、貧困、自殺問題など現代社会の暗部を独自の視点で切り取った作品を多く手がけた脚本家。私の世代の人であれば、『101回目のプロポーズ』『高校教師』『ひとつ屋根の下』『人間失格』『未成年』などで、何度も涙したことがあるにちがいない。

ドラマ『聖者の行進』は、純粋で優しい心を持つ知的障害者達を聖者になぞらえていた。もともとの『聖者の行進』は、作曲者不明の、黒人霊歌に起源を発するジャズナンバー。背景には、17世紀以降、アフリカから連行されてアメリカで強制労働させられていた黒人の奴隷たちの歴史がある。葬儀で、埋葬を終えた後の帰路、魂が解放されて天国へ行くことを祝うために、作られたらしい。ドラマの中では、障害者たちがそれぞれの楽器を持って、この曲を演奏する。悲しいストーリーの中で、唯一明るい気持ちになれる場面だ。

プロテスタントの家では、食事の前に、この曲にのせた『Toi qui dispose』を歌う。

ルイ・アームストロングの演奏。
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