1002年6月21日、アルザスのエギスハイムに生まれたブルーノ・フォン・エギスハイム=ダグスブルク。
後に
聖レオ9世 と呼ばれることになる聖人は、アルザスの土地の領主であるエギスハイム伯の家庭に生まれた。
6月のエギスハイムの町の中心部。旧エギスハイム伯の館、聖レオ9世の礼拝堂、聖レオ9世の噴水がある。
5歳から
トゥール の聖堂学校に預けられ、勉学に励む。
24歳で、トゥールの司教に任じられる。
貧しい町の司教だったが、この上ない栄誉と、すすんで引き受けた。
聖レオ礼拝堂 の壁画。聖レオ9世の一生を表す。
その
信仰の強さ と献身、
謙虚な姿勢 は、帝国中に知られ、
全会一致で選ばれ、47歳で、
ローマ教皇 に就任する。
聖ペテロ聖パウロ教会のステンドグラス。聖レオ9世の一生を表す。
乱れた教会秩序の回復のため、キリスト教圏内を巡り、
教会改革 を進めた。
聖職売買 や聖職者妻帯を禁止し、キリスト教の
徳への回帰 を訴えた。
カトリックの七つの美徳(七元徳)は、知恵、勇気、節制、正義、信仰、希望、愛。
ストラスブール大聖堂正面。美徳を象徴する女性たちが悪徳を象徴する人を槍で突き刺している。
「神の休戦(Trêve de Dieu)」を公のものとしたのも、聖レオ9世である。
神の休戦とは、毎週4日間(水曜の夜から月曜の朝まで)と祝祭日(クリスマス、四旬節、復活祭など)の間の戦闘を禁じるもの。
後に、(一時期ではあったが)キリスト教徒間の戦闘を全面的に排斥するまでにいたり、キリスト教徒の敵に対する聖戦(十字軍)へと発展していく。
聖レオ9世の時代から1000年の時を経たが、今も世界には、腐敗がはびこっており、キリスト教徒同士の闘いが繰り広げられている。
人間は何て愚かなのだろう。
こんな声が聞こえてきそうだ。
「
諸君は獣のごとき生を送るべく生を享けたのではない。 諸君は知識を求め徳に従うべく生まれたのである 」
ダンテ著『神曲』 より
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