日本人には馴染みがないが、今は、
四旬節である。四旬節とは、復活祭の40日前の水曜日(
灰の水曜日)から復活祭の前日(
聖土曜日)までの期間を指す。

四旬節の期間は、本来、
復活祭に備え、祈りを深め、物欲を断ち切る期間。この40日間の食事は、より質素にし、特に動物性食品は制限する。しかし、現代では、これを行っている家庭は非常に少ない。
その昔、洗礼者ヨハネから洗礼を受けたイエスは、荒野に導かれ、40日間、
悪魔から誘惑を受けた。(新約聖書)

その1:食欲に訴えかける誘惑
その2:「神のちからを試してみろ」という誘惑
その3:「栄光を手っ取り早く手に入れられるよ」という誘惑
イエスは、
3つの誘惑を退け、公の活動を始めた。
イエスが十字架にかけられ復活するのは、この約
3年後。
四旬節の40日という日数は、この誘惑の40日間に対応している。
とにもかくにも、人間は、
誘惑に弱い。

イヴは蛇の誘惑に負け、楽園から追放された。(旧約聖書)
ゲッセマネの祈りで、イエスは弟子たちに「誘惑に陥らぬよう、目を覚まして祈っていなさい。心は燃えても、肉体は弱い」と言った。(新約聖書)

マルティン・ションガウアー作『
ゲッセマネの祈り』
だが、弟子たちは、寝てしまった。
人生には、色んなところに、誘惑が存在する。
「誘惑」と言うと、私は、北海道函館市出身のバンド
GLAYの『
誘惑』を思い出す。
ここでGLAYとヴァ―バンについて、おさらい!
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グレイは、
1988年に小中高の友達同士で結成したバンド。メンバー同士仲が良く、いい仕事仲間の関係を今も続けている。
北海道函館市といえば、
五稜郭!冬は雪が積もり、春は桜が咲き乱れ、美しい。

五稜郭は、19世紀に建てられた
ヴォーバン式城郭。
17世紀後半にフランスのルイ14世の技術顧問であった建築家ヴォーバンが発展させた星型要塞を基にした。

19世紀、箱館戦争で、旧幕府軍が降伏するまで、使用された。
同じくヴォーバンの防衛施設がある町、ストラスブール。

こちらのヴォーバンダムは、17世紀、ヴォーバンが現役のときに建てられた。
水門を閉めてイル河の水を溜め、洪水を起こし、敵の攻撃を防げるようにしていた。19世紀の
普仏戦争のときに実際に利用されたが、最終的には、ドイツ軍がストラスブール市内に入り、水門を開けた。
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今から
25年前に発表されたGLAYの
13枚目のシングル『誘惑』。
この歌は、現代にありがちな誘惑をとてもよく表していると思う。
仏教の開祖である
釈迦(仏陀)は、美しい娘たちによる誘惑を受けたが、誘惑に打ち勝った。
理性は、感情にたやすく負ける。
ヴォーバン式要塞を築いても、中に入られたら、それまで。
悪魔は人々に忘れられることによって、おのが存在を現す。
苦しいときの、神頼み。苦しくないときも、神頼み。

ウルトラマンも神頼み。
キリスト教徒の祈りでは、「
誘惑に陥らせず、悪からお救いください」と言う。この一文、夜寝る前とかに祈るのにはいいが、誘惑に迫られているときには、ちょっと長すぎて、唱えづらい。
誘惑に打ち勝つのにぴったりの日本語を、ここに一語で紹介したい。
「
悟れ!」

ドーン!
誘惑に身を任せた先に待つのは、(財産的、精神的、社会的な)身の破滅。
子供のとき見た藤子不二雄Ⓐのアニメ『笑ゥせぇるすまん』、本当怖かったなぁ…。
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